礼宮さまと紀子さん、2人きりの語らい サークル旅行の民宿で

「好きになったのが、たまたま皇室の方でした」−−。礼宮さま(23)とのご婚約が内定した26日、川嶋紀子さん(22)は、東京・目白の学習院構内の職員住宅で家族とともに喜びをかみしめた。祝福の電話が殺到するのか、夕方には臨時電話が架設され、押し花のお祝い電報も届けられた。恩師によると、お2人が愛を誓い合ったのは木曽・妻篭での夜空を見上げての語らいの時だったという。一方の礼宮さまは、この日、学友たちと登った奥多摩の山小屋で、気のおけぬ会話を楽しみながら夜を明かされた。

 ◆恩師が秘話

 礼宮さまと川嶋紀子さんの愛の“舞台”となった学習院大学「自然文化研究会」。昭和61年のサークル結成以来、顧問として2人を見守ってきた高橋新太郎・学習院女子短大教授(57)は「相性ピッタリのカップル。礼宮さまは本当にすばらしい女性と出会われた」と祝福の言葉を贈っている。

 高橋教授によると、お2人の交際が深まったのは62年ごろ。礼宮さまの方が先に好意を持ち、付き合われるようになったようだった。その後、サークル活動の中で、ごく自然に親しくなっていった感じだが、同教授がお2人の愛の大きな転回点になったとみているのは、昨年3月、3泊4日で木曽・伊那方面の酒蔵を回った調査旅行だった。

 その初日の夜、妻篭の古い民宿で、約20人のメンバーがいろりを囲んで酒をくみかわす中、お2人は屋外で2人きりで話す時間を持ったようだと高橋教授。「あそこはとても雰囲気のいいひなびた山村。2人は、夜空を見つめながら、語り合い、将来を決めたようです。きっと礼宮さまがプロポーズされたのでは」。

 ご婚約が固まったことについては、「時間の問題と思っていましたが、早かった感じです」との感想。同教授は夏休み前の今年6月、学習院大キャンパスで、紀子さんと出会い、立ち話をしたが、その時、紀子さんは、婚約のうわさをめぐってマスコミの目が自分に集中していることを口にした。「礼宮さまも国際電話などでこのことをご存じだったはず。中途半端な立場に彼女を置いていることに、彼なりに配慮をして、今回の一時帰国を機にきちんと決断されたんでしょう」と話している。

(1989年8月27日 読売新聞)


引用元 http://www.yomiuri.co.jp/feature/impr/0609article/fe_im_89082702.htm


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