紀子さん、一家水入らずの“前夜” 食卓囲み、思い出話

 お妃(きさき)となるその前夜、川嶋紀子さん(23)は一家水入らずの夕食のあと、ピアノを弾き、合唱して、家族との別れを惜しんだ。礼宮さま(24)は終日、赤坂御所で静かに過ごされた。29日のご結婚を前にした、それぞれの独身最後の夜。父、辰彦さん(50)(学習院大教授)は、10日余り前の「父の日」を、紀子さん手製のエスニック料理で過ごし、「うれしかった」と述懐した。きょう十二単(じゅうにひとえ)をまとう娘の姿に、何を思うのだろうか。

 28日夜、紀子さんは「静かに準備をしていました」と、この日の様子を父辰彦さんを通じて語った。日中は外出しなかったが、大学の研究室に出かけていた辰彦さんが帰るのを待って、夕方6時すぎから、辰彦さんと弟の舟(しゅう)さん(16)の3人で、学習院共同住宅のご近所にあいさつ回り。十数軒を約2時間かけて訪ね、共同住宅横に婚約が決まってから設けられた警察官詰所にも立ち寄った。

 帰宅後、全員で囲んだ夕食は、紀子さんも手伝って作った和食。食卓では、いろいろと思い出を語り合い、食事がすむと、ピアノで日本や外国の懐かしい歌をかわるがわる弾きながら、一家で合唱したという。

 ◆礼宮さまも両陛下と夕食

 一方、礼宮さまはこの日はとくにご予定もなく、午後7時ごろから天皇、皇后両陛下、紀宮さまの4人で夕食をとられたという。

(1990年6月29日 読売新聞)

引用元 http://www.yomiuri.co.jp/feature/impr/0609article/fe_im_90062901.htm



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